セルフケア

何もしない方法|疲れているのは“選びすぎ”かもしれない

何もしない。

もっとも難易度の高いことの1つではないだろうか。

仕事を1つ片付ければ、仕事がまた1つ2つと増えていく。
チャットの通知音に作っていた資料の手を止め、
電話の着信音にドキッとさせられる。
会議が終わればTODOリストがわっと増える。
家に帰れば、何を作るか考えご飯を作り、ラジオを聴きながら洗濯物をたたむ。
それが終わればスマートフォンでネットサーフィン。

多くの人にとって当たり前となっているこの現実。

しかし、私はこのサイクルから抜け出せた。
ーほんのささやかなきっかけがあった。

無限の選択を迫るスマホ

その時初めて、
「常に何かしなければ!次に何しよう!」と焦っているからだと理解した。

現代人はたくさん動いて疲れているわけではなく、
たくさん選択しているから疲れている。

疲れたら、
何かを”足す”娯楽に手を伸ばす。

スマホはあなたに、軽い選択を”無限”に課す。

放っておくと、
すぐにスマホに触れる。
刺激の強いものを求める。

では、どうやって「何もしない」を実践したのか。

ウィスキーを飲みながら、丁寧にレコードをかけてみたのだ。

ウイスキーを飲みながら、丁寧にレコードをかけてみる

視点がだんだんとぼやけていく。
呼吸一つひとつが、ゆっくりと輪郭を持ち始める。
気づけば、頭の中のガヤガヤは消えていた。 

レコードは、たくさんの選択に溺れた私たちに差し出された1本のロープ。

レコードは聞きたいアルバムを選び、
ケースからそっと取り出し、
手に神経を集中させながらプレイヤーにそっと置き
ゆっくりと針を持ち上げ、落とす。

ようやく音楽を聴くことができる。
ー気づけば、あれもこれもと選択していないことに気づいた。

しかし、簡単に聴くことができないからこそ
きちんと”音楽”と向き合うことができるのではないだろうか?

注意がレコードに固定され、他のことができなくなる。

この動作を1つ1つ丁寧に行うことで、
こちらから”音楽”に対して敬意を払い、
”音楽”を迎えに行ってあげるような。

音楽と向き合うために必要な儀式。

レコードは、
簡単にスキップできない。
アルバム単位でしか聞けない。
シャッフル再生ができない。

頑固者である。

あの曲この曲と変えようものなら
大変忙しくなる。

この頑固者は、
一度アルバムを再生したら、成り行きに身をゆだねなさい。
と語ってくれる。

“何もしない”を体験できる4つのレコード

私が聴いた音楽の中で、「何もしない」を体験できるレコードを4つ紹介する。

01:Point of Entry / Jonny Nash

どこか田園風景がよく似合う、牧歌的で静かな一枚。
僕がAmbient音楽に出会ったきっかけであり、初めて手にしたレコードでもある。
柔らかなギターの響きと空気に溶けるような音の重なりの中で、草原を一歩ずつ歩きながら思索にふけるような感覚に包まれていく。
主張しすぎない音が、逆に自分の内側を浮かび上がらせてくれる。
何かを考えたいときも、何も考えたくないときも、自然と寄り添ってくれる一枚。

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02:Quiet Music Under the Moon – つきのおと – Calm 

夜に一日を振り返りながら聴きたい一枚。
静かな音の揺らぎが、呼吸や思考のリズムとゆっくり重なっていく。
田舎の電車に揺られながら、ガタンゴトンという音とともにまだ見ぬ土地へ向かうような情景が浮かぶ。
月明かりに照らされた山影をぼんやりと眺めながら、自分の内側に戻っていく時間。
思考を整理するというより、感覚を整えてくれる音楽。
1日の終わりに、静かに自分をリセットするための一枚。

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03:Nujabes PRAY Reflections – haruka nakamura 

音に触れた瞬間、どこか遠くへいざなわれるような感覚が広がり、日常から少しだけ離れた場所へと連れていかれる。
強く感情を揺さぶるわけではないのに、気づけば心の奥に触れている。
夜の静かな時間や、ふと立ち止まりたいときに流しておきたい一枚。
音に導かれるまま、自分の感覚と向き合うような時間が生まれる。
とりわけ「Final View」は、ユセフ・ラティーフの原曲と重なり合い、静かで深い美しさを生み出している。

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04:Discreet Music – Brian Eno

聴いているうちに、輪郭がゆっくりと溶けていくような感覚になる一枚。
音楽として前に出てくるのではなく、空間に静かに溶け込みながら存在し続ける。
何かを考えるでもなく、ただ今この瞬間に身を委ねる時間が自然と生まれる。
何もしないことが難しい現代において、思考を手放し、瞑想しているかのような感覚に導いてくれる。
静かに呼吸を整え、意識を内側へと向けてくれる、美しい環境音楽の原点。

 

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レコードは、便利な道具ではない。
ただ、立ち止まることを忘れた私たちに、
何もしない時間がどれほど素晴らしい時間かを思い出させてくれる。

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大手IT企業で働く会社員が、10年間でセミリタイアを目指すためにしていること。IT業界でキャリアアップをするためにしていることを発信しています!